資生堂のヴィンテージ コンパクト

花椿 化粧品メーカーのヴィンテージ コンパクト

この記事では、資生堂のヴィンテージコンパクトをいくつか紹介します。

種類が多いので、実物が集めきれていません。そのため写真が用意できていないものもあります。

資生堂の花椿会

1937年に資生堂化粧品の愛用者組織「花椿会」が発足しました。

花椿会では年間の購入額によって会員ランクが決められており、それぞれの会員に向けて、毎年6月ごろから記念品が贈られていました。

記念品からみる会員ランクは昭和37年ではシルバー、ゴールド、エメロード、ダイヤモンド、プリオールに分かれていましたが、その年によって異なるようです。

情報が得られた中では、昭和39年にはゴールド、エメロード、ダイヤモンド、プリオール会員向けに。

昭和40年にはゴールド(年間5千円以上)、エメロード(年間1万円以上)、ダイヤモンド(年間2万円以上)、スペシァル(年間3万円以上)、プリオール(年間5万円以上)向けに変わっていました。

花椿会の記念品(コンパクト)

ここでは花椿会記念品のうち、コンパクトのみ紹介します。

エメロード記念品 コンパクト

1965年(昭和40年)

エメロード記念品 コンパクト

花椿会1965

中蓋があるタイプで、表面は可愛らしい刺繍のデザインです。

中にはパフとシフター(網)が入っています。

しおりには、下記のように紹介文がありました。

ことしの花椿会記念品には「径絹八枚朱子縫取=たてぎぬはちまいしゅすぬいとり」の布地が用いられています。これは、日本古来の高級衣料のなかでつちかわれてきた、伝統ある絹織物ですが、さらにフランス織物の唐草模様を配して、ユニークな感覚のデザインに織り上げたものです。

しづりコンパクト

1969年(昭和44年)

スペシァル記念品 しづりコンパクト

しづり

中蓋なしのタイプです。

札入もセットになっていて、あわせて紹介文があります。

正倉院の宝物には、数多くの鏡や織物がつたえられております。おとどけするコンパクトは、このうちの七宝かざりの鏡を型どりました。

また、縞紋様の札入は、大変にめずらしい技法で織った織物しづり(綺・かんはた)をと入れ、段絣(だんがすり)によりあげたものです。

七宝かざりの鏡とは、黃金瑠璃鈿背十二稜鏡(おうごんのるりでんはいのじゅうにりょつかがみ)のことです。

また、当時この記念品が贈られた際には、引換券が同封されていました。コンパクト に入れて使うクリームパクト(レフィル)が、資生堂店舗にて受け取ることができるようになっていたとのことです。

露芝文コンパクト

1971年(昭和46年)

エメロード記念品 露芝文(つゆしばもん)コンパクト

露芝文

中蓋なしのタイプです。しおりに紹介文があります。

桃山時代を代表する露芝文を大胆にとりいれたコンパクトです。黒地に金のシックな文様は、もつかたの人柄をしのばせます。

露芝文について

桃山時代の文様は、草花などの植物を巧みに文様化したところに特長があります。露芝文はそのうちの一つで、当時の能装束の文様として残っており、野草に露を含んだ自然の情景をパターン化しております。

セットになっている布のケースについても。

袋について

桃山時代の文化として茶道があげられますが茶道具を入れる袋などに用いられた「名物裂(めいぶつぎれ)」はよく知られています。ここに添えられた「五色漢東織(ごしきかんとうおり)」は、これに類するものとして忠実に再現してみました。わび、さびを喜ぶ当時の茶の湯の世界を、ご想像ください。
代表的な柄である『五色東漢』を忠実に再現して作られました。

当時、このコンパクトの中に入れるレフィルとしては、ナチュラルグロウプレスドパウダー、シフォネットプレスドパウダーがあったようです。

コンパクト花椿

1972年(昭和47年)

ハイプリオール記念品 コンパクト花椿

花椿

資生堂が創業100周年を迎えた際の記念品です。

このコンパクトを作ったメーカーによりますと、約7万個も納入したということです。

中古でもそれほど沢山見かけたことはないのですが、皆さんまだまだ大切にお持ちなのでしょうか。(欲しいけど高い…)

後日買いました。保存状態あまり良くなくてすみません。

あいさつ文が入っていました。

ごあいさつ

日頃より、資生堂化粧品をご愛用いただきまして、まことにありがとうございます。

この1年の感謝の心をこめて、記念品をお贈りいたします。

すべての資生堂化粧品とおなじように、研究と工夫をかさね、特別に調製いたしました。

みなさまのご愛顧により、育ってまいりました資生堂も、本年で創業100年を迎えることになりました。

そこで、本年は長年にわたり親しんでいただき、数々の思い出を残してきました花椿をテーマにし、新しい感覚で椿をデザインしてみました。

いつまでもお手もとで、ご愛用いただければ幸いと存じます。

なお、花椿会の新年度はことしも11月1日から始まっております。引き続きご入会のうえ、いっそうのご愛顧のほど、お願い申し上げます。

挨拶文の下に、コンパクトについて説明されています。

椿を現代風にアレンジした、豪華な銀製コンパクトです。

資生堂ナチュラルグロウ プレスドパウダーまたは、ルーセントアップ、資生堂シフォネット プレスドパウダーなどをつめてお使いください。

毎回、きちんと文様や歴史について触れているところが素敵です。

椿文(つばきもん)について

椿は美しい花として、古事記、日本書紀、万葉集などにもうたわれて、かなり古い時代から栽培されていたことがわかります。

天武天皇の12年(西暦685年頃)には、野生の白椿を「白海石榴」(しろつばき)の名称で天皇に献上し、めでたきものとされました。

白玉椿と呼んで、正月の花としたのも、その頃からのことです。椿が美術、工芸に多く現れたのは室町、桃山のことで、椿文鎌倉彫の笈(おい)は当代の優作です。茶の湯の流行につれ、明織物を始め辻が花染、能衣装などに見られます。江戸時代には衣服の文様をはじめ、仁和寺の光琳作椿屏風(びょうぶ)、現代でも、きものや帯の文様になくてはならないものとされ、他の草花文様にない独特の風格をみせています。

 

ル コンパクト

1995年

ル  コンパクト

ル コンパクト1995

山名文夫さんデザインの、とても可愛いコンパクトです。

ル コンパクトのレフィルは長い間販売されていましたが、ここ数年で生産、販売終了しており、ぴったりサイズのレフィルは存在しなくなりました。

愛用していた方も多いと思いますので、少し残念です。

販売された化粧品のうち、金属製コンパクト

情報が少ないのですが、見つけたものはなるべく入手しています。

ドルックス

昭和38年(1963)3月

「ドルックスクリームパクト」発売

ドルックス

マイペット

発売年月は調査中。ゴールドのものと、シルバーのものがあるようです。

マイペット

資生堂コンパクト(白粉用S0)

ブルーの唐草

 

水蓮

水蓮

 

モディッシュパクト

モディッシュパクト丸型

モディッシュ角型

 

インウイ

昭和52年(1977)9月

「インウイ」メイクアップシリーズ(8品)発売…の中に入っているのかなと想像しています。

色がうまく再現できませんでした。もうすこしエンジ色っぽい感じです。

インウイ

花紋

昭和48年(1973)9月に発売されたコンパクト。

花紋

ル  コンパクト

1991年に発売されたコンパクト。

ル コンパクト

 

クレ・ド・ポー フィニッシュパクト(ベイジュ)

フィニッシュパクト

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